Tokyo, Japan (East Asia) — 日本政府は2007年の道路交通法改正以降、自転車を「車両」として位置づける原則に基づき、歩行者と分離された安全な通行空間の確保と利用ルールの徹底を段階的に進めている。警察庁と国土交通省が公表した資料によると、過去15年間で自転車専用通行帯の設置要件の明確化や、全国的なネットワーク計画の策定、安全利用五則の改定など、多角的な施策が講じられてきた。これにより、日本の自転車利用環境は、歩道優先の時代から車道通行を基本とする新たな段階へと移行している。
Background
日本の自転車施策における大きな転換点となったのは、2007年(平成19年)の道路交通法改正である。この改正により、普通自転車が例外的に歩道を通行できる要件が明確化され、同時に児童や幼児のヘルメット着用規定が新設された。2011年には、警察庁が「自転車は車両」という基本認識を再確認する通達を出し、歩行者と自転車の事故を抑止するための総合的な対策が本格化した。その後、2012年と2016年の2度にわたり「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」が策定・改定され、ハード・ソフト両面での整備指針が確立された。
Details
2012年に策定されたガイドラインでは、自転車ネットワーク計画の作成手順や、車道通行を基本とした整備形態の選定基準が示された。続く2016年の改定では、路面表示の標準化が進み、青色の「矢羽根型路面表示」やピクトグラムの仕様が統一された。また、本来の整備形態が困難な場合の「暫定形態」の活用も推奨されるようになった。
法制度の面では、2017年(平成29年)に「自転車活用推進法」が施行された。この法律は、自転車を環境負荷の低減や健康増進に寄与する交通手段として位置づけ、国や地方公共団体に推進計画の策定を義務づけている。2019年(平成31年)には道路構造令が改正され、車道の左端を区画線で区切る「自転車通行帯(自転車レーン)」が新たに規定された。これにより、設計速度が時速60kmに達する道路では工作物で分離された「自転車道」を、それ以外の道路では「自転車通行帯」を設置するという使い分けが明確になった。
安全教育の面では、2022年に「自転車安全利用五則」が改定され、2023年4月からは全ての自転車利用者に対してヘルメットの着用が努力義務化された。これは、重大事故時の頭部損傷を防ぐための重要なステップとなっている。
Future Outlook
現在は、2021年に閣議決定された「第2次自転車活用推進計画」に基づき、2025年度までの目標達成に向けた取り組みが進められている。計画には、サイクルツーリズムの推進やシェアサイクルの普及、さらにはICTを活用した安全対策など、計73の具体的な措置が盛り込まれている。2023年7月にはさらなる改正道路交通法の施行も予定されており、電動キックボード等の新たなモビリティも含めた、より包括的な交通秩序の形成が期待されている。