東京、日本(東アジア) — 内閣府が発表した「令和5年交通安全白書」において、現在進行中の「第2次自転車活用推進計画」の詳細とその進捗状況が明らかになった。2021年(令和3年)5月に閣議決定されたこの計画は、コロナ禍における通勤・配達ニーズの高まりや、ICTの進展、高齢化社会の進展といった近年の社会情勢の変化を反映し、自転車を安全かつ快適に活用できる社会の構築を目標としている。
Background
日本では、自転車を環境負荷の低いモビリティや健康増進のツールとして総合的に推進するため、2016年(平成28年)12月に「自転車活用推進法」が成立した。これに基づき、2018年には第1次自転車活用推進計画が策定され、官民連携による施策が進められてきた。第2次計画は、これまでの成果を継承しつつ、持続可能な社会の実現に向けて取り組みをさらに強化したものであり、多様な者が安全に利用できる環境整備を柱としている。
Details
第2次自転車活用推進計画では、従来の4つの主要目標(都市環境の形成、健康長寿社会の実現、観光立国の実現、安全で安心な社会の実現)を軸に据えている。特に注目すべきは、新たな施策として「多様な自転車(電動アシスト自転車や特殊形状の自転車など)の開発・普及」および「損害賠償責任保険等への加入促進」が追加された点である。これは、利用者の拡大に伴うリスク管理と、個々のニーズに応じた利便性向上を両立させる狙いがある。
地方自治体における取り組みも具体化しており、現在47すべての都道府県と、168の市区町村が地域の実情に応じた「地方版自転車活用推進計画」を策定している。白書では事例として東京都荒川区の取り組みが紹介された。同区では、スマートフォンの移動履歴座標データ(ビッグデータ)を活用して自転車の通行ニーズを詳細に分析し、効果的な自転車ネットワーク路線を選定している。また、無電柱化と合わせた通行空間の整備や、災害時の自転車活用など、多岐にわたる施策を計画に盛り込んでいる。
Future Outlook
政府は今後も、第2次計画に基づき関係府省庁が連携して施策を推進する方針である。自転車専用道路の整備やシェアサイクルの普及、公共交通機関との連携強化などを通じて、日常的な移動から観光、健康づくりに至るまで、自転車が安全に選択される社会の実現を目指すとしている。特に事故防止に向けたハード・ソフト両面からの対策が、今後の計画遂行において重要な焦点となる。