国土交通省、自転車ネットワーク整備に向けたデータ活用の手引きを策定

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東京、日本(東アジア) — 日本の国土交通省(MLIT)自転車活用推進本部は、2026年1月21日、地方自治体等による効率的な自転車インフラ整備を推進するための「自転車ネットワーク検討に関するデータ活用の手引き」を新たに策定したと発表した。この手引きは、自転車道の計画策定において、交通量や走行ログなどの客観的なデータを効果的に活用し、エビデンスに基づいた安全で利便性の高いネットワーク構築を加速させることを目的としている。

Background

日本では2017年の「自転車活用推進法」施行以来、国を挙げて自転車の活用が推進されている。2021年には「第2次自転車活用推進計画」が閣議決定され、ナショナルサイクルルートの整備やシェアサイクルの普及、自転車通勤の拡大など、多角的な施策が展開されてきた。インフラ整備に関しては、2024年6月に「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」が改定されるなど、常に安全基準の更新が行われてきたが、限られた道路空間を最適に活用するため、より詳細なデータ分析に基づいた計画策定の必要性が高まっていた。

Details

今回策定された「自転車ネットワーク検討に関するデータ活用の手引き」は、最新のデジタル技術やプローブデータ(走行履歴データ)の蓄積を背景に、実態に即したネットワーク検討手法をまとめたものである。この策定に向けては、2025年後半から集中的な議論が行われてきた。具体的には、2025年12月22日に開催された「令和7年度第2回 安全で快適な自転車等利用環境の向上に関する委員会」や、同年12月17日の「第3回 自転車の活用推進に向けた有識者会議」において、データ活用の具体策やネットワークの今後の方向性が検討されてきた経緯がある。

国土交通省はこれまでも「自転車通勤導入に関する手引き」の改定(2024年7月)や、シェアサイクル事業の運営ガイドライン策定(2023年9月)など、利用者のニーズに合わせた環境整備を進めてきた。今回の手引きは、これらのソフト施策と連携し、ハード面での整備をより科学的かつ効果的に進めるための基盤となる。

Future Outlook

今後、国土交通省はこの手引きを全国の自治体に周知し、データに基づいた合理的で効果的な自転車通行空間の整備を支援する方針である。社会資本整備審議会道路分科会などで議論されている「自転車ネットワークの今後の方向性」に基づき、既存の道路空間の再配分や、歩行者・自転車・自動車が安全に共存できる環境の実現を目指す。2026年度以降も、データの利活用を軸としたインフラ整備とともに、自転車損害賠償責任保険への加入促進や交通安全教育といったソフト施策の両輪で、自転車利用の安全性向上を図る見通しだ。