警視庁は2025年12月、電動アシスト自転車や特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)など、多様化する電動モビリティの交通ルール周知を目的として、初めて「電動モビリティ交通安全教室」を開催した。この取り組みは、電動モビリティの普及拡大に伴う交通事故への対策として実施されたものである。
背景
日本では近年、電動アシスト自転車の普及が急速に進み、2023年7月には特定小型原動機付自転車(以下、特定原付)の制度が施行された。特定原付とは、最高速度20km/h以下、定格出力0.6kW以下の電動キックボード等を指し、16歳以上であれば運転免許不要で利用可能となった。
しかし、電動モビリティの多様化に伴い、それぞれの乗り物に適用される交通ルールの違いが複雑化している。電動アシスト自転車は自転車として扱われ、自転車専用レーンや歩道(許可がある場合)を通行できる。一方、特定原付は車道を走行する必要があり、歩道は原則通行禁止である。
警視庁は電動モビリティの交通事故防止に向けた情報発信を強化しており、公式サイトでは特定原付の交通ルール、電動アシスト自転車とペダル付き電動バイクの違い、電動キックボードの規制などを詳しく解説している。また、企業向け・個人向けの各種交通安全講習会や自転車交通安全教室など、多様な対象者向けの安全教育プログラムを実施している。
詳細
今回の交通安全教室では、参加者が実際に電動アシスト自転車や特定原付を操作しながら学べる体験型プログラムが用意された。会場には模擬交差点や踏切が設置され、実際の道路環境を再現した中で安全な走行方法や注意点を習得できる構成となっていた。
教室では各乗り物の特徴や違いについても解説が行われた。電動アシスト自転車はペダルを漕ぐ力を電動モーターが補助する仕組みで、あくまでも自転車の扱いとなる。対して、アクセル操作で自走できる「ペダル付き電動バイク」は原動機付自転車に分類され、運転免許が必要となる。この違いを理解していない利用者も多く、警視庁は継続的な周知活動の必要性を強調している。
警視庁としてこのような電動モビリティに特化した交通安全教室の開催は初の試みであり、今後も各所と連携して継続的な啓発活動を行う方針である。